しがない不動産会社を経営するしがない社長のブログ

不動産で独立するまでの事、これからの事をつづります

売買か賃貸か ①賃貸

本業がバタバタしており、更新が滞りました。

区分の大きな案件を動かしておりました。

仲介案件ですが、一撃で500万近く数字が上がりそうです。

しがない社長です。

 

さて、今回は独立するなら売買か賃貸かのお話しをしていこうと思います。

永遠のテーマ(?)かもしれません。

これから不動産業界へ転職しようと考えている方、今不動産業界にいて賃貸から売買への鞍替えを検討されているかた、またその逆の方に向けて、私なりの考えをお伝えしたいと思います。(売買→賃貸はあまりいないですかね)

 

まず私の状況から説明しておきますと、私は売買がメインです。収益の9割を占めています。

賃貸はというと、友達や知り合いの引っ越しの仲介の依頼を受けて割安でやってあげているというような具合です。ほぼボランティアレベルです。

まず賃貸の事から話しますと。

賃貸屋さんの営業は主に、

1.飛び込み客への営業

2.各種ポータルサイトからの反響営業

に大きく分かれるかと思います。

 

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1.飛び込み客への営業

これはご存じの通り、大・中規模の駅前や、街の目抜き通りに店舗を構え、店頭に張ったチラシを見たお客様や、通りがかったお客様の入店から営業がスタートします。

皆さんが一般に想像する不動産屋のイメージといえばこちらに該当するのではないでしょうか。

仕事の流れとしては、お客様の希望(駅や沿線、地域、予算、風呂・トイレ別など諸条件)を聞いて、それに沿った物件をレインズや各種ポータルサイトから探していきます。合致する物件があれば案内して契約という流れになります。

ちなみに物件をご紹介し、案内するときもいくつか不動産業者独特のノウハウや儲けのカラクリがあり、それは口述します。

 

2.各種ポータルサイトからの反響営業

最近はこちらが集客の柱になっていることが多いようですが、いわゆるSUUMOやat homeなどからお客様が問い合わせしてくるのを待つ営業です。

各不動産が広告掲載の承諾を得て、大金をかけてネット掲載枠を買って掲載しています。

同じ部屋でもいろんな会社が物件情報を掲載していることが多いですが、他社に埋もれないようにこれはなるべく上位に表示されるようにさらにお金を積むなんていう涙ぐましい努力もあります。

反響を受けた後はすぐさま電話営業です。皆さんもご経験があると思います。

問い合わせした瞬間電話きます笑

この後、アポイントメントをとり物件を案内し契約という流れは同じです。

 

さて、この1.2.についてですが、それぞれ問題点があります。

1.についてはまず、立地がよくないと飛び込み客が見込めないので、当然賃料がバカ高いです。会社にとって固定費が高いのは致命傷です。

賃料が50万なんてザラです。ガンガン売上は上がりますが、ガンガン固定費で飛びます。月初の数回の取引はほぼマイナスを取り返すところからスタートです。

メリットとしては対面での接客になるのでより細やかにニーズを引き出しやすかったり、関係を築いてしまえば他店に逃げられる可能性は少なくなります。また、たいてい飛び込み客は即日案内を組めます。即日案内して、早ければ翌日契約なんてこともあります。

 

2.について、これはネット掲載費が固定費になってきます。本当に数十万なんて当たり前にかかってきます。みんな枠の取り合いになっています。

またネットでは気に入ったものをとにかく問い合わせしまくるユーザーが多いので、お客様のグリップが弱いのが特徴です。色んな業者が一斉に営業をかけるので、その中から勝ち残りアポイントメントを切らなければなりません。非常に厳しい戦いになります。ただ、やはりそこはネットなので反響数は多いです。なので何人か相手すれば一件決まるという感覚に近いかもしれません。(実際はもっと厳しいですが)

 

さて、ここで基礎的な、法的な知識の確認ですが賃貸の仲介でいただくことのできる仲介手数料は賃料の1か月分が限度です。

例えば、賃料7万円の部屋を仲介した場合、お客様から受け取れる仲介手数料は最高で7万円です。

さて、ここでバカ高い賃料で事務所を借りて、バカ高い掲載枠を買って、お客様を必死に捕まえて、案内して契約書を作ってようやく7万円かと思うかもしれません。

これを高いと思うか安いと思うかはわかりませんが、実はこの賃料をもとにした仲介手数料は儲けの一部です。

実際はAD(広告料)といって仲介手数料とは別途オーナーや管理会社から支払われるボーナスみたいなものがあります。

図面の下部に「AD100」や「業務委託1ヵ月」など書いてあれば、その分もらえます。

AD100なら賃料一ヵ月分、AD50なら半月分のボーナスがもらえます。

実は不動産屋はこれを目当てにしてるとこが多いです。

店頭の登り旗に「仲介手数料無料」と書いてあるのをよく見かけたことがあるのではないでしょうか。

実はこれはお客様からもらわなくても、オーナーや管理会社から仲介手数料に相当するものがもらえるのです。なので「仲介手数料無料」が実現しています。

法律上は仲介手数料は賃料の1ヵ月分しかもらえないのが建前ですが、「広告・調査等に要した費用で、依頼者が特に承認したものに対しては別途受領することができる」という抜け穴があります。

なので、例えば7万円のお部屋があり、AD100がついている物件だと、最高で14万円の利益になります。

賃貸は単価が低く回転率が命だと思われがちですが、実は利益はそこそこ上げられます。

またこれに組み合わせて、各社で独自のサービスが組めます。

何かというと、見積もりのなかに「鍵交換代」「消臭・抗菌代」という費目が載っているのを見たことはありませんでしょうか。

あれは管理会社が指定している場合があるのですが、たまに各社が独自に提供しているサービスとして見積もりに載っている場合があります。

例えば「消臭・抗菌代」として20,000円(税別)という具合です。

正直言って、あまりたいしたサービスをやっていません。ひどい会社さんですとファブリーズだけ、なんてこともあります。

鍵交換代は実費16,000のところを20,000円で請求します。

この辺りは実質ピンハネ業です。それぞれ各項目でマージンを取ります。こういった細かい数千円や数万円を積み重ねて利益を作っていきます。

あと、収益の柱は保険のあっせんです。家財保険地震保険、火災保険。。。

日本人は保険が大好きな民族です。これも当然のことながらあっせん業として、バックマージンを保険会社からもらいます。部屋のスペックなどでもちろん左右はされますが、単価でいうと2~3万円です。

これらを組み合わせて結局7万円でAD100がついてる物件だと20~25万円くらいの利益になります。

賃貸はこういった細かい利益を積み重ねていく形態です。

何となく賃貸屋さんのイメージはつかんでもらえたでしょうか。

 

まとめると、こんな感じです。

【賃貸】

利 益:○(様々な項目で細かく利益をとっていく)

案件数:△(引っ越しは比較的皆が経験する。常に一定の需要あり)

固定費:×(部屋代や広告代など高い。初期投資も高いことが多い)

 

次回の記事では売買についてご説明します。