しがない不動産会社を経営するしがない社長のブログ

不動産で独立するまでの事、これからの事をつづります

売買か賃貸か ②売買

前回の賃貸に続いて、売買の説明です。

賃貸も去ることながら、売買は非常に奥が深い商売ですので、まずはさわりだけ説明します。

 

まず、不動産の売買と聞いてどんなことをやっているかイメージできますか。

 

売買ですので、要は所有権のやり取りです。

マンションの一室、アパート一棟、商業ビル、土地、戸建ての「買いたい」「売りたい」を仲介をします。

まず、報酬面からみていきましょう。

 

2019年10月現在では、400万円を超える売買に関して受け取ることのできる報酬額は

「物件価格に対する3%+6万円+税」となっています。

つまり、例えばお客様であるA様から都内に居住用として3,000万円のマンションを買いたいと依頼が来たとしましょう。

すると、業法的には宅建業者が受け取れる報酬額は

3,000万円*3%+6万円+税=1,056,000円

となっています。

いかがでしょうか。一撃で100万円超えの利益です。

安いとみるでしょうか、高いとみるでしょうか。(仲介ですので、その仲介をする際に瑕疵(問題)があれば、当然仲介会社の責任問題へと発展するリスクははらんでいます)

また、例えば自社で売却の媒介を得ている場合(つまり、オーナー様から売ってほしいといわれている物件を、自社のお客様に売却するという仲介をした場合)、オーナー様側から正規の仲介手数料、購入されるお客様から正規の仲介手数料を申し受けることができるので、

3,000万円*6%+12万円+税=2,112,000円

が利益となります。

これを我々業界として「両手」といいます。「両」側から「手」数料を受け取ることができるので「両手」といいます。

ここまでくると、安いという方はいらっしゃらないと思います。

我々業者は基本的には両手取引を狙います。オーナー様から売却依頼を受けた場合、まずは自社でお客様を見つける努力をします。難しそうならポータルサイトやレインズに掲載し、客付会社さん(お客さんをご紹介してくれる会社)にお願いします。

両手を狙うのは当然のことながら、手数料による利益が2倍だからです。

 

また、賃貸と同じく、こちらにも保険のあっせん手数料を狙います。売買は賃貸と違い、額が大きいのでバックマージンも多いです。10~20万はザラです。

 

さて、集客ですが、投資用不動産の場合はセミナーや楽待、健美家、ホームズといったポータルサイトからの反響が多い印象です。

不動産会社に勤め始めた新人はまずレインズを検索し、広告掲載の可否を確認し続けるという業務からスタートする方は多いと思います。

ポータルサイトや自社のHPに物件情報を上げ続け、お客様からの反響を待つのです。

なお、ポータルサイトの掲載料金に関しては、なぜか賃貸の方がはるかに高い印象です。

弊社でもいくつかのポータルサイトに掲載を続けておりますが、単価は比較的安いです。

大手不動産投資ポータルサイトの楽待さんでは確か1枠1,000円程度だったと記憶しています。

その代わり、やはり売買は賃貸ほど頻繁にあるわけではないので、案件数自体が少なくなるきらいがあります。皆さんもなんとなく想像がつくと思います。

 

さて、立地についてですが、売買の場合、飛び込みがくるお客様というのは極端に少ない印象です。

また会社の立地を見ていても駅から離れたところに構えている会社は多いです。

弊社は比較的近いですが(主要駅から2分程度)、目立つビルに構えているわけではありません。雑居ビルの上層階です。飛び込みでいらっしゃったお客様は今まで0人ですw

売買はそんなもんです。なので固定費を抑えることができます。目抜き通りにわざわざ店舗を構える必要はありません。最低限の広さ(応接室等も含め)があれば開業可能です。10万円程度の家賃で十分にやっていけます。意外に売買の方が固定費は抑えられるかと思います。

問題は案件自体が少ないこと。しばらく営業をまじめに積み重ねていると、意外にそうでもなくて、紹介に次ぐ紹介なんかで案件自体は途切れなくなってくるのですが、その段階になるまで少し時間がかかる印象です。

 

まとめると

【売買】

○利 益:◎(両手取引だと爆発。年間数件決めるだけサラリーマンの年収は超えます)

○案件数:△(紹介で案件が来るようになるまでは非常につらい)

○固定費:○(事務所費という点では非常に抑えられる。月5万円程度で売上5億年近い会社もある)

 

こんな感じです。

非常にざっくりとみていきました。

項目ごとにそれぞれ深堀りしていく予定ですので、まぁこんなもんかという程度に見ておいてください。

私はこれらの情報を転職前に聞いていたのですが、迷わず売買の道へ行きました。

決め手は固定費の低さです。やはり固定費が高い商売は精神的に落ち着かないし、最悪月の売上がゼロでも出ていくものも少ないと考えれば息長く続けられそうだと思ったからです。

賃貸、売買それぞれによさがありますし、私は売買ですが日々業者様と情報交換する中で、「そんな収益の取り方があるのか~」などと日々関心させられることも多いです。

知らない事だらけで、日々勉強中です。まだまだ私が知らないことがたくさんありますので、賃貸でも私の知らない利益の取り方はまだまだあると思います。

ただ、一般的なことはお伝えさせていただきましたので、参考にしていただけると嬉しいです。

 

次はまた思いついた頃、思いついた事柄についてお話しします。

それでは。